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ミート・マジェント・アジア2018: バンコク

Dec 01 2018 - イベント

スカイプレミアムは、アジア最大のe-commerceイベントの一つ、Meet Magento Asia 2018に今回参加する機会を得ました。同イベントでは、アジアからe-commerceの起業家、イノベーター、様々な意思決定者が集まりました。

 

私たちを代表して基調スピーチを行ったのは、IT製品開発マネージャーのアルヴィン・タン。日本とシンガポール市場の会員向けに製品を概念化、デザイン、開発、提供する担当スペシャリストとプロフェッショナルがいる、スカイプレミアム・インターナショナルのテクノロジー・チームを率いています。

アルヴィンは、新しいプロダクトチームを築いて先導した自分の体験と見識を観客に共有しながら、「e-commerceの究極のラグジュアリーとは何か?」という質問に取り組みました。

 

「それは一番速い車?一番お洒落なドレス?あの人気のデザイナーバッグ?それとも一番高い靴?」

スカイプレミアムのリーダーシップ・チームは、会員増大のために真新しいプラットフォームと製品を概念化、開発、提供しようとした時に、これらの質問を全部考えましたが、明らかに時間が足りませんでした。 

 

 

以下は、Meet Magento Asia 2018におけるアルヴィン・タンのプレゼンテーションの記録です。

4週間前、今回のスピーチの機会を初めて提示された時、何を話すべきか、とても長い間考えました。真面目な話ですが、まだ言及されていないと思う主題やトピックに行きつかなかったのです。

ここに座っている皆さんの多くは、経営幹部、ディレクター、マネージャー、専門分野の専門家で、色々なイベント、セミナー、ウェブキャストから、最新の技術、一番の人気製品、次のトレンドと変換について、無数のプレゼンテーションを聴いていると思います。本当のことを言うと、僕は、皆さんにそういうプレゼンテーションをまた聴かせてはいけないと思っています。

さて、日曜日の朝、家でブレインストーミング中、たまたま飼い犬2匹を見下ろしました。犬は7歳と6歳(人間だと49歳と42歳に相当)で、僕は「何について話したらいいかな?」と彼らに聞いたのです。

二匹は、大きな目で僕をただじっと見つめました。彼らが僕を見つめ、僕が彼らを見つめ返した。長い時間に感じられました。まったく魔法のような瞬間で、忘れがたいと言わねばなりません。そして、その時わかったのです。

 

ここでこの場面を一旦ストップして、皆さんにお聞きします。

「あなたが妻、夫、子供、両親、または愛する者と、とても忘れられないひと時を最後に過ごしたのはいつですか?」

その朝、午後、または夕方は、たぶん良い天気で、景色は美しかったでしょう。光が景色をなぜか素敵に照らし、サウンドはちょうど良く、その感触、その気持ち、その手触り、その瞬間を、あなたは懐かしく思い出します。そして、気をそらすもの、心配、不安は全然ありませんでした。

そのひと時だけ。あなたと愛する者だけが、そしてもしかしたらいくつかのことが、そのひと時を共有したのです。

たぶん、皆さんは「アルヴィン、これがe-commerceやデジタル変革とどう関係しているんだ?」と聞くかもしれません。

僕は関係していると思います。

 

今僕たちが住んでいる世界は、便利な物で溢れています。ポケットにはスマートなiPhones Xや光沢のあるSamsung Galaxy ノーツ、鞄にはパワフルで軽量のMacbook Airs。自由に使える最新のテクノロジーとツール。クラウド、SaaS、ドッカ―ズ、そしてマイクロサービスがこぞって試用と採用をお願いしてきます。

僕たちは消費者として、フィジカルとデジタルの両分野で、毎日数百万でなければ数千単位でリリースされる革新的な製品に囲まれています。もっと正確に健康状態を追跡する、もっときれいに家を掃除する、もっと簡単にジュースを絞る、あるいはもっと素敵にコーヒーを飲むために、完璧な量と完璧な温度のコーヒーを特別なデザインのコーヒーカップに煎れる新製品が、毎時間出ています。

僕たちは、いたるところで膨大な量の広告に曝されています。ビルボード広告、マーケティング・プロモーションやキャンペーン、スローメールからSMS、電子メール、今やリアルタイムの通知まで、従来型の店舗、e-commerceストア、ソーシャルメディア・プラットフォーム、そして考えられる一切のメディアを通じて。それは、すべて製品販売数を押し上げるためです。

さらに、おしゃれなiPhones X、光沢あるSamsung Galaxy から、(もちろん合法的に)欲しい物は何でも買えます。出前の注文、配車、別の場所にいる友達とのチャットも。

 

今や顧客の増大、より良い製品の創造、最も効果的なプロモーションの概念化、売上数値の押し上げだけが全てではないのです。

今はこれらのことを上手にやれている、と僕は強く信じています。ただ、今まで見たすべてのグラフ、図表、数字によれば、僕たちは臨界点に達し、それを完全に超えてしまっています。

正直いって、僕は将来を予言できません。でも、僕たち一人ひとりが将来のビジョンを持つことはできます。

そして、僕の将来のビジョンはこれです。

「顧客は気を散らす物(distraction)を減らし、自分に本当に大切なことにフォーカスする時間を増やす」

今日、昨日あるいは先週受け取ったeメールを一通ずつ開封し、ちゃんと読んだのはいつですか?今日受信したメッセージを全て開けてなんとか読み終えても、それを毎日続けられますか?その答えが明らかに「ノー」なら、長く心に残るメッセージを一つ作ることに集中すべきではないでしょうか?

「顧客は、次のビッグセールやプロモーションまで行動を待たなくてよい」

「セールを待とう」とか「プロモーションコードを待とう」と言って、自分の買い物を控えたり、誰かの買い物を止めたりしたことはありますか?

ほとんどの日が売上ゼロに近い時に、「1日または短期間で売上がXパーセント上がったから、マーケティング・キャンペーンは大成功」と示すだけのために、12.12、ブラックフライデー、サイバーマンデーといったビッグセールのプロモーションやイベントを作るのは、なぜでしょう?

たくさんの部門をまた集め、次の大イベントキャンペーンを作り、新しいキャンペーンは前回よりも成功したものでなければならない、そのサイクルが繰り返されます。

僕たちが本当に顧客中心で、原価と売上原価が何かわかっているなら、顧客がその製品かサービスの購入を考えている時にこそ良い値段をつけるべきではないでしょうか?

なぜ顧客を待たせなければいけないのでしょう?

「顧客は、体験を大いに喜ぶ時間を得る」 

 

皆さんにお聞きしますが、自分が最後にお金を払った思い出深い物やサービスを思い出してください。それは、読みたかった本、ずっと欲しかったバッグ、所有しなければならなかった時計、子供にねだられたオモチャ、それとも配偶者と一緒にくつろいだスパ・リトリートですか?

その体験はどうでしたか?感触、眺め、音、そして香りをまだ覚えていますか?その体験中、どのような気持ちでしたか?快適、それとも不愉快でしたか?とても嬉しかった、それともイライラしましたか?

探求する、消費する、そして受け取るプロセスは体験です。製品やサービスが本当に与えうることを楽しむことに時間をかける体験、それが中核であるべきです。少しでもパーソナルなものを用意して、お客様の一日をより良いものにする努力を惜しまないカスタマーサービスの体験が、最終的にわたしたちの製品とサービスをより印象深いものにします。

 

ですから、「e-commerceの究極のラグジュアリーは何か?」と聞かれたら、

その質問に対する私の答えは「時間」になるでしょう。

「時間」は究極のラグジュアリーです。

そして、それが私たちスカイプレミアム・インターナショナルのビジョンです。

私たちは、会員様の笑顔を希求します。

私たちは、会員様に時間をもっていただくことを希求します。

本当に大事なことにフォーカスする時間。人生が与え得ることを体験する時間。

 

 

最後に、抽選で参加者の一人に人生の究極のラグジュアリーを差し上げて、終わりにいたします。

*ドラムロール* 抽選大賞で1年間のスカイプレミアムメンバーシップを当てたのは、Dr Varanyu Suchivoraphanpongです。おめでとうございます!

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